日本の自殺率は世界でも高い水準にありますが、最近はその数に改善の兆しがあります。
警察庁の統計によると、自殺者は7年連続で減少。
自殺者の減少は様々な努力もあるでしょうが、個人で自殺志願者を救うために自殺の名所に毎日ように通う素晴らしい行動もその要因かもしれません。
ある一人の個人が行った自殺者志願者を救う行動が海外メディアに賞賛されています。
自殺の名所福井県の東尋坊
全国にはいくつかの自殺の名所がありますが、福井県の東尋坊はその中でもとても有名です。
このような断崖絶壁から身を投げて自殺をするようです。ココに立っただけで足がすくみそうな恐怖を味わえそうです。
東尋坊(断崖絶壁の崖)に来ました
左の写真は右の写真の崖のギリギリから撮りました!25mもあるそうでめちゃ怖かったです! pic.twitter.com/2hKxzXwnAM— りょうま (@Ryoma1199) August 5, 2016
実際に海に飛び込んで自殺を図ったものの、本人の意志通りに自殺ができたのはだいたい7割り程度。
残り3割は全身に大ケガなどをして苦しむ方も。生き残ったもののケガの痛みで辛い日々を送る人もいるそうな。
元々死にたいほどの心の悩みがあって、さらにケガの痛みとなると生き残ったとしても相当な苦労があることが想像できます。
そんな自殺の名所東尋坊に毎日のように通い、自殺を思いとどませようと尽力する人がいます。
茂幸雄さんが海外メディアに賞賛
15年間毎日のように東尋坊に通い自殺志願者の命を救ってきた茂幸雄さんが、海外メディアにその功績を絶賛されています。
15年間で609人の自殺志願者を救った日本人―アルゼンチンメディア- 記事詳細|Infoseekニュース https://t.co/wtyyVi0eXm 今年73歳になる茂幸雄さん。「帽子をかぶって双眼鏡をぶら下げ、東尋坊に毎日通っている。彼は双眼鏡をのぞいて岸辺を眺め、失望している魂を探し、見つけると近付いていく」
— やまんば (@yamanba_iwaki) March 9, 2018
アルゼンチンメディアの報道を中国メディアが引用をする形で世界で話題になっています。
茂幸雄さんは御年73歳。元警察官で15年前に退職後は毎日のように東尋坊に通い自殺者を救うためのパトロールをしています。
誰に雇われるわけでもなく、当然無償でやっているわけですからスゴイですね!
並の人間ではなかなかできません。しかもパトロールは警察官の職務中はおそらく嫌というほどやってきたはずですから、普通なら退職後はその仕事を解放されることに安堵するはずですから。
自殺を踏みとどませた数がスゴイ
茂幸雄さんがこれまで東尋坊で自殺志願者の自殺を踏みとどませた人数ですが、なんと約15年で609人を数えます。
記事の取材から少なくともかなりの日数が経過しているはずですから、その数はさらに増えているかもしれません。
茂幸雄さんは双眼鏡をぶら下げていますが、岸辺を双眼鏡で見つめ失望している人を見つけると近づいていって話しかけるようです。
日本の自殺者の推移
自殺の名所東尋坊では最近の10年間で240人ほどが自殺をしているという統計があります。
茂幸雄さんが自殺志願者を助けた数がこの3倍近くになりますから、茂幸雄さんのような人がいなければ自殺者はもっと多い1000人に近かったかもしれません。
東尋坊の他にも例えば青木ヶ原樹海なども自殺の名所で、それ以外にも電車ホームから飛び込んで自殺なども時折ニュースになります。
では日本の最近の自殺者の推移はどうなっているのでしょうか?
日本の自殺者数は警察庁の統計では、平成26年では25,427人。実に1日70人近い人が自殺をしていることになります。
1日70人となると人によってはスゴイ多いと感じるかもしれませんが、これでも一時よりかなり減少しています。
自殺者の数は平成10年以来、14年連続で3万人を超えていたのですが、最近の3年間は3万人を下回っています。
平成10年が急激に伸びていますが、その前の平成9年の水準並になろうとしています。
この頃は企業の倒産や銀行の破綻が相次いだ頃で、日本が未曾有の経済危機に陥って時期でもあります。
その後は長い経済の低迷時期になり、最近はアベノミクスなどによって日本経済にも光が見えだしてきた時期でもあります。
日本の自殺者の数も日本の経済状況にかなり左右されると思われますが、茂幸雄さんのように草の根の活動も自殺者を減少させていることの大きな要因になっているはずです。