私達が普段何気なく接している日本の医療ですが、海外と比べるとどうなのでしょうか?

 

近年は日本経済の停滞によって、世界の中での影響力が落ちつつありますから、医療システムも同じような状況なのでしょうか?

 

経済では世界との競争で厳しい環境にある日本ですが、医療レベルは高い医療制度も充実しており、世界でもトップクラスであるといえます。

 

それではどんな点が世界と比べて日本の医療システムが優れているのでしょうか?

 

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国民皆保険制度

 

日本の医療システムで海外からも高い評価を受けるのが、「国民皆保険制度」です。

 

国民皆保険制度とは、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入するという制度です。

 

日本に住んでいると、ごく当たり前のこの制度ですが、海外では民間保険によって医療費に備えたり、多くの人が無保険の状態という国も珍しくありません。

 

公的医療保険制度が充実していないというと発展途上国のを想像するかもしれませんが、先進国の中でも公的医療保険制度が十分に整っていない国もあるのです。

 

日本の国民皆保険制度は、お金持ちであろうが貧乏であろうが、すべての人がある程度の医療サービスを受けることができます。

 

ところが、例えば民間保険による場合は、貧富の差によって受ける医療サービスのレベルが全く異なりますし、場合によっては病気になっても医療機関の治療を受けられないような場合もあるでしょう。

 

日本の国民皆保険制度は、多くの人が高いレベルで医療サービスを受けることができ、2000年には世界保健機関(WHO)から総合点で日本の保険医療保険制度は世界一との評価も受けています。

 

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高い平均寿命と医療レベル

 

日本人の平均寿命は世界でもトップクラスの高さです。

 

日本は世界の中でも“長寿国”なのですが、高い平均寿命を支えるもののひとつが医療レベルの高さです。病院の設備や病院数、医師の能力、看護師のサービスなど世界との比較では高いレベルにあります。

 

この高いレベルの医療を国民皆保険制度によって、国民すべてが一部の負担だけで受けることができることが、日本人の長寿の理由のひとつになっています。

 

高いがん生存率

 

医療の発展によって、がんは以前ほど不治の病という感じではなくなりつつあります。しかし、依然として国民の多くが罹患する国民病として、死亡原因のトップの位置です。

 

がんによって亡くなられる方も多いのですが、日本のがんの5年生存率は世界の中でもとても優秀です。

 

例えばOECDのデータでも、大腸がんの5年生存率(2004~09年調べ)では見事トップにたっています。

 

その他のがんの種類や調査によっても、おおむね日本のがん5年生存率は高い数字を示しており、日本の高い医療レベルを証明しています。

 

この結果を反映するように日本のがん死亡率は低い統計があり、がんの罹患者が多い日本でがんの死亡率の低さはされだけ医療レベルの高さのおかげでもあります。

 

世界のがん死亡率 国別ランキング・推移

GLOBAL NOTE

 

医師不足と少子高齢化

 

日本の国民皆保険制度に代表されるように優れた医療制度や医療レベルですが、全く問題がないわけではありません。

 

日本は少子高齢化が進み、超高齢化社会に突入をしていて、今後医療や介護のケアが必要な老人がますます増えることになります。

 

そのような状況でありながら、医師の不足は深刻です。

 

医師不足は全国均等に起こっているわけではなく、都心と地方など地域差が激しく、過疎地域などでは十分な医療サービスを受けられないところもあります。

 

また高齢化による医療費の増大が顕著で、毎年ものすごい勢いで増え続けています。加えて少子化によって働き手が少なくなりつつあるわけです。

 

そのため、このまま日本の優れた医療制度や医療レベルを維持できるかが難しいのではないかとの指摘もあります。