11月の有効求人倍率が発表されましたが、その数字なんと1.56倍と驚きの数字になりました。
有効求人倍率、11月は1.56倍 43年10カ月ぶり高水準 https://t.co/koBiO3JeY0
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) December 25, 2017
43年10ヶ月前はというと、1974年ですがこの年の10月にミスタープロ野球の長嶋茂雄が引退した年でもあります。
ずいぶんと昔の話しになりますね(^_^;)
これだけ長い間抜かれることがなかった記録が塗り替えられたわけですから、いかに今回の数字がすごいのかがわかりますね。
この驚異的な数字ですが、世界と比べるとどうなのか調べてみました。
有効求人倍率が43年ぶりの高水準に
厚生労働省が発表した11月の有効求人倍率ですが、1.56倍という高い水準になりましたね。
この数字がどれだけすごいかというと、なんと43年10ヶ月ぶりの高い数字ということからもわかると思います。
そもそも有効求人倍率ですが、有効求職者数に対する有効求人数の割合です。
数字の見方ですが、倍率が1で求職者数と求人数が同じということで、1を上回れば雇いたい人を探している企業が多いということになります。
逆に1を下回れば仕事を探している人のほうが多いということになりますね。
11月の数字が1.56倍ということで、仕事を求めてる人より大幅に求人数のほうが多いということになります。
100人が仕事を探しているとして、156社の求人があるということですからね。数字的には仕事を選べる売り手市場ということですね。
日本の有効求人倍率を世界と比べてみたら
日本の有効求人倍率が非常に良い数字になっていることは分かるのですが、外に目を向けて海外の国はどうなのでしょうか?
各国の失業率の高さから日本よりも厳しい数字は予想できますがどうなのでしょうか?
外国では失業率の統計は発表をされている国は多いですが、有効求人倍率として数字を出していることは探してみても中々出てきませんでした。
とりあえず中国の少し古いデータを紹介しているブログがあったので、参考にさせていただきます。
中国の新規就業者数と有効求人倍率に見る景気動向~中国政府の苦労は絶えない
中国の2015年1月~3月までの有効求人倍率は1.12倍というデータがあります。
ただ中国の場合、地域によって格差がものすごくあり、都市部例えば広州であれば1.81倍、逆に地方都市の河南省済原市で0.43倍とかなりの開きがあるそうです。
広州は仕事が多いので、農村からも多くの人が出稼ぎに来ており、広州駅前には多くの出稼ぎ労働者が田舎へ帰るために集結している様子を見たことがあります。
こんな感じの人の波ができていました。
広州南駅から地下鉄2号線に乗り広州駅へ行き、地上にでたらこんな光景で驚いた。靄がかかっている中に大量の出稼ぎ労働者。 pic.twitter.com/FkIb2DHD2a
— THE ATS(快速急行の日本人) (@theatsblog) December 1, 2017
日本もそうですが、仕事がある所に人が集まりがちになります。
日本も都道府県別で有効求人倍率の格差はあるのですが、それでも11月の数値では、
就業地別では、
- 最高は福井県の2.10倍、最低は北海道の1.21倍
受理地別では、
- 最高は東京都の2.12倍、最低は沖縄県の1.14倍
「就業地」と「受理地」の違いですが、求人の中でも、求人を受理した都道府県と実際に求人票に記載のある就業地が異なる場合があります。
例えば、全国の求人をすべてを本社が所在するハローワークに一括して提出している例もあります。
このような場合は、より正確な労働需要の実態をあらわすのは就業地別の求人といえますから、両方のデータを参照することが望ましいでしょう。
格差はありますが、最高と最低が1倍を少し割る程度の差。最低の北海道や沖縄でも1倍以上はありますので、決して悪くない数字です。
さらに福井のような小さな都道府県が入るのも中国とは大きな違いでしょう。
日本の問題点も
有効求人倍率が良い数字だからといって手放しで喜ぶべきではありません。
有効求人倍率が高くても、日本の場合は正社員の有効求人倍率がまだまだ低いという面もあります。
最近はどんどん生活が安定しない非正規雇用を増やす風潮がありますので、たとえ仕事が見つかったとしても、生活はやっぱり苦しいままという場合もあるでしょう。
また業種別の有効求人倍率の違いもあります。
一部の業種では人手不足が深刻な面もありますが、そのような業種では有効求人倍率が高くなりがちです。
結局希望の業種や職種への就職がかなわないという例も多いでしょう。
日本は確かに世界や中国と比べると、有効求人倍率が高く恵まれているといえますが、その内容はちょっと厳しいものがあります。