大阪へ訪れる訪日客の勢いが止まりません。
2017年に大阪府を訪れた訪日外国人客(インバウンド)数が1100万人、消費額も1兆1731億円になったようです。
国内全体のインバウンド数が2869万人ですから、3人に1人以上が大阪を訪れた計算になります。
最近は、OSAKAが世界の観光地としてメジャーとなり、クレジットカード会社の調査による「世界渡航先ランキング」でも、大阪への渡航者数(2009~16年)の年平均増加率はなんと24%!
これは世界132都市中トップということで、ここ数年で一気に知名度を上げてきています。
このまま大阪へ訪れる訪日客の数が増え続け、ついには首都東京へ訪れる外国人を超えるようなことがあるのかどうかを調査しました。
大阪へ訪れる訪日客数の推移
大阪府へ訪れる訪日客数の推移ですが、ここ数年は二桁成長を軽く超え、その伸び率の高さは驚きです。
来阪の外国人客、初の1000万人、消費額も初の1兆円超え 全訪日者の3人に1人が大阪に https://t.co/SSdEiAzi05 @Sankei_newsさんから
— 産経ニュースWEST (@SankeiNews_WEST) January 16, 2018
平成24年に200万人程度だった来阪外客数がこの5年で5倍以上になったわけですから、凄まじい勢いで伸びています。
ちなみに国内全体の訪日客数も伸びていますが、平成24年に836万人が昨年は2869万人ですから約3倍強。いかに大阪に多くの外国人が訪れるようになったのかがわかります。
平成23年は東日本大震災で落ち込んだものの、翌年からインバウンド数が伸び、平成26年ぐらい辺りから爆発的に外国人旅行客が増えてきました。
大阪に外国人が多く訪れる理由
それでは大阪になぜこれだけ多くの外国人が訪れるのでしょうか?
よくメディアで取りあげられるのは、LCCの便数です。関西国際空港は日本でLCC比率が最も高く、LCCで格安で大阪を訪れることができるのは一つの理由でしょう。
ただ最近では大阪へ訪れるLCCなども人気で座席が埋まりやすく、値頃感が少し落ちています。
それでも大阪へ訪れる人が増え続けるのは、LCC就航数の多さ以外にも理由がありそうです。
大阪へ外国人が多く訪れる理由のキーワードが“お得感”ではないかと考えます。
日本へ訪れる外国人は地理的な条件からアジアからの訪問者が大多数を占めることになります。
大阪は西日本のため、東京へ訪れるより出発地の違いもあるものの、小一時間ほど少ない所要時間で訪れることができます。
つまり早く訪れることができるという、「時間のお得感」です。
さらに大阪は物価が大都市の割には安く、しかも値下げ合戦が好きなのか、「価格のお得感」があります。
また大阪の周辺は世界的な観光地が山ほどあります。
例えば世界遺産の京都や奈良、熊野古道、和歌山で海を楽しむこともできますし、白浜や有馬、城崎など外国人に人気の温泉も比較的容易に行くことができます。
つまり、周辺に観光地が凝縮されていて「観光地としてのお得感」があります。
これは大阪内でも同様で、キタとミナミにかなりのものが集約され観光しやすさがあり、短期間で観光ができるというお得感があるのです。
東京へ訪れる訪日客数の推移
東京へ訪れる近年の訪日客数はどうかというと、確かに伸び率が高いものの大阪ほど大幅に伸びている状況ではありません。
出典 東京都
平成29年の東京都へ訪れた外国人数はまだ明らかになっていませんが、平成28年で約1310万人。大阪が平成28年は約940万人だったの比べてまだ300万人以上の開きがあります。
ただ両都市の伸び率には違いがあり、東京のインバウンド数は平成24年の5562万人が平成28年で1310万人。
平成29年も伸びているでしょうが、近年は伸び率が鈍化しているためそれほど高い数字ではないのではないかと思われます。
おそらく1400万人を少し超えた辺りになるでしょうか。
平成24年と比べると3倍にも届かない数字で、大阪の5年で5倍と比べると少し物足りない数字です。
将来は大阪が東京をインバウンドで超えることはあるか?
訪日外国人旅客数でおよそ300万人ほどの違いで両都市はかなり肉薄してきています。
ただ大阪が東京をインバウンドで超えるのは少し難しいかもしれません。
その理由の一番が空港の容量の違いです。
成田と羽田があり、今後羽田の拡張工事などでさらに東京で国際線が増えることになります。
一方関空もまだまだ増便の余地はあるものの、混雑が激しくなりターミナルなどの容量が心配になりつつあります。
来年ぐらいまでは東京と大阪の訪日客数の差は縮まるでしょうが、2019年度辺りからまた少し開くのではないかというのが数年後の予想です。
ただ、その先になるとまだ予想がつきません。関空も拡張することも噂されているため、また両都市が肉薄していくるかもわかりません。
まあ、日本にとっては両都市ともインバウンド数が伸びることは良いことなんですがね。