日本全国には数多くの著名な寺院などがあり、連日多くの参拝者や旅行客で賑わっています。
最近は日本全体で物の値段が上がる状況もみられがちですが、多くの著名寺院の拝観料も上がっています。
値上げとなると、こちらのテーマパークが毎年のように値上げしていますね。それでも入場者数は過去最高を記録していますから、値上げの影響もそれほどなかったわけです。
USJの値上げ、なんやかんやで2010年から毎年値上げしてるのね。それでも海外のテーマパークに比べるとまだまだ安い。 pic.twitter.com/RL8K9XniNZ
— じょーたく™ (@jo_taku150) December 28, 2017
テーマパークだけでなく世界遺産のこちらのお寺も大きく値上げをしていますね。ただそれだけの価値も十分あり世界中から多くの人が訪れています。
寺院の値上げに関しては賛否両論があるものの、お寺に落書き対策として防犯にコストがかかるという理由もあります。
ただ、最大の理由はUSJの値上げの理由にもなっているように、海外との価格差を意識しているという見方もできます。
日本の有名寺院の拝観料は海外の有名観光スポットと比べてどうなのでしょうか?
続々値上げになる著名寺院の拝観料
最近になって著名寺院の拝観料が値上げをするケースが目立っています。
文化財行政のあり方を考えるべきだと思う https://t.co/4EfiRSUH60
— おとっつぁん (@otottsan) January 11, 2018
日本経済新聞の記事にもあるように、
- 建長寺(神奈川県鎌倉市)300円→500円で200円値上げ
- 東大寺(奈良県奈良市) 500円→600円で100円値上げ
- 法隆寺(奈良県斑鳩町) 1000円→1500円で500円値上げ
- 清水寺(京都府京都市) 300円→400円で100円値上げ
- 姫路城(兵庫県姫路市) 400円→1000円で600円値上げ
- 彦根城(滋賀県彦根市) 600円→800円で200円値上げ
- 大浦天主堂(長崎県長崎市) 300円→600円→1000円でトータル700円の値上げ!
東大寺のように100円値上げ程度ではあまり負担も少ないのですが、長崎の大浦天主堂にいたっては、元々300円だったものが1000円になったわけですから3倍以上!
こんなに上がると今までの入場料は何だったの?
という感じがします。大浦天主堂はまだ世界遺産候補ですが、世界文化遺産に登録されたらさらに値上げをするのか心配になります。
割安な日本のテーマパーク
記事の冒頭でも少し触れましたUSJの値上げですが、値上げの理由の一つに海外のテーマパークと比べて入場料が割安な点があります。
ユニバーサルスタジオは世界でUSJを含めて4つのテーマパークがあります。
USJのワンデイパスの料金は2017年が7600円で2018年が7900円になります。
一方海外のユニバーサルスタジオは
ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドが通常チケットで$105~$110と日付によって幅がありますが、今日の最新レート1ドル約111円で計算すると、11,689円から12,246円になります。
ユニバーサル・スタジオ・フロリダのワンデイパスは$110ですから12,246円。
物価の高いアメリカですしやや円安ということもありますので、日本よりかなり割高になります。
ではシンガポールはどうかというと、ユニバーサル・スタジオ・シンガポール76シンガポールドルになります。
シンガポールドルの現在のレート約83円で計算すると6,362円。こちらはUSJよりかなり割安になります。ただ、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールはUSJよりかなり狭いという面もありますが。
世界の有名寺院などの入場料は?
世界の有名寺院の入場料はどうなのでしょうか? 日本と比べてその違いをみてみます。
まずお隣の韓国。世界遺産に登録されている慶州の仏国寺は5000ウォン。現在のレートでは522円です。
日本とそれほど変わらない水準ですね。
中国の場合は、北京近郊の承徳にある世界遺産「避暑山荘と外八廟」を例にしてみます。ここは清朝の皇帝が避暑地として夏の間の離宮でした。
- 普陀宗乗之廟 80元 現在のレートで1,370円
- 普寧寺 80元 現在のレートで1,370円
- 普楽寺 50元 現在のレートで857円
普陀宗乗之廟はチベットのポタラ宮を真似て作っていますが、いわばお城みたいなものです。姫路城と比べると少し料金が高くなります。
二つのお寺も日本より高めですね。中国の有名観光地の入場料はかなり高いです。
では、ヨーロッパはどうでしょうか?
日本と同じ島国のイギリスでは、世界遺産に登録をされているこちらのスポットの場合、
- ウエストミンスター寺院 15ポンド 現在のレートで2,259円。
- セント・ポール大聖堂 12.50ポンド 現在のレートで1,883円。
イギリスは物価が高いというイメージですが、最近はポンド安。それでも日本の寺院と比べるとかなりの割高です。
観光客が訪れる数が日本と近いスペイン・バルセロナの有名なサグラダ・ファミリアの入場料15ユーロ 現在のレートで2,010円。こちらも日本の法隆寺よりもかなり高くなります。
ただヨーロッパの場合ケルン大聖堂が無料であるように、たとえ世界遺産に登録をされている寺院でも全く入場料がかからない場合もあります。
そんな状況をみると、大浦天主堂の入場料では欧州の人が立ち寄ることは少なそうですね。
大幅に値上げする寺院もある
世界の有名寺院でも大幅に入場料を値上げするところもあります。
「行って良かった世界遺産」や「行ってみたい世界遺産」などのランキングでも必ず上位にランクインするカンボジアのアンコールワット(アンコール遺跡)ですが、昨年2017年2月に大幅に入場料を値上げしました。
それまでの1日券$20(約2,225円)がなんと倍近い$37(約4,116円)に値上げ。
アンコールでは3日券が22ドルの値上げで$62、1週間券が12ドル値上げの$72ですから短期滞在ほど割高になります。
値上げ幅もさることながら、1日券が4,000円を超えるなんてすごいですね。まあアンコールはとても1日では回れないほどの見どころと広さはありますが。
日本の著名寺院の拝観料の値上げについては、防犯対策や保存費用の増大など様々な要因があることは確かです。しかし、世界の価格差も考え値上げに踏み切ったという要因もありそうです。