見た目が美しい日本料理といえば、「かいせきりょうり」。

 

ただ「かいせきりょうり」といっても日本料理では呼び方が同じの「会席料理」と「懐石料理」があります。

 

普段何気なく見聞きするこの両者の違いを正確に言えるでしょうか?

 

同じ読み方の会席料理と懐石料理ですが似た点もあるのですが、そこには大きな違いもあります。

 

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美しい日本料理

 

料理は味で楽しむだけでなく、目で楽しむという面もあります。

 

見た目で楽しむ料理といえばフランス料理を思い浮かべる人も多いでしょうが、日本料理もフランス料理に匹敵するような見栄えが素晴らしいものもあります。

 

美しい日本料理というと「かいせき」料理でしょう。

 

もちろん庶民が普通に食べる和食のお店でも美しい器にきれいに盛り付けされた和食を堪能はできますが、やはり美しさの観点でいうとかなわないでしょう。

 

 

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会席料理とは

 

会席料理とは宴席などでおもてなしの料理のことをいいます。結婚式などで出される日本料理はこの会席料理です。

 

会席料理の基本は和食の王道である「一汁三菜」です。つまり、ご飯に汁もの、主菜1品、副菜2品という料理構成です。

 

ただ会席料理は家庭料理との大きな違いはご飯が一番最後に出てきます。

 

家庭での食べ方といえば、おかずとご飯を口の中でハーモニーさせて食べるようにと躾をされた人も多いと思います。

 

しかし、会席料理はご飯物は一番最後です。これは実は健康面を考えると非常に理にかなっています。

 

炭水化物であるご飯は血糖値を急激にあげます。

 

ご飯を早めに食べることは血糖値を急激に上げ、糖尿病の危険性や肥満の原因になったりします。

 

このようなことが、おかずのような血糖値をゆるかに上がるものから食べることで防げます。会席料理の料理が出てくる順番は健康的にはとても理にかなっているといえるのです。

 

懐石料理とは

 

懐石料理は茶道から生まれたもので、お茶の前に出す料理の作法として広がりを見せました。

 

お茶をもてなす際に出される料理ですが、あくまでもお茶がメインであることから、料理もお茶の美味しさをより引き立てるものとして考えられています。

 

茶道の精神である侘び寂びやおもてなしの精神が表現されていて、旬の食材を使い素材の持ち味を活かす、心配りを持っておもてなしをするという基本があります。

 

これらはまさに近年の和食やおもてなしの日本文化の基本で多くの人から評価されている点でもあります。

 

会席料理とは食べる順序も異なっており、汁物とご飯物は一番最初に少量を食べることになります。これは過度な空腹を避けるためと考えています。

 

懐石料理の「懐石」ですが、懐石の由来には様々な説がありますが、石をカイロのように利用した面白い話しもあります。

 

江戸時代のような昔は当然ストーブなどはありませんから、修行僧らはとても寒いわけです。

 

修行僧たちが少しでも空腹や寒さをしのぐために、温めた石を懐に入れて暖を取りました。

 

当時は今よりも豊かな時代でないですし、修業の身であることから、来客があっても満足のある食事を提供することができなかった場合もあるでしょう。

 

客人に対してせめてものおもてなしの気持ちとして、懐で温めていた石を渡して、帰りの道中寒い思いをせずにという気持ちをこめました。

 

実に素晴らしいおもてなしの心ですが、懐石料理の言葉の中にも、日本らしさが隠れているわけです。