日本料には「出汁」という素晴らしい文化があります。

 

和食にはうまみが欠かせませんが、「UMAMI」としてそのまま外来語として通用し、世界からも注目されている存在です。

 

ウマミをつくりだす出しですが、そこには一言ではあらわせない奥深い世界があります。

 

スポンサーリンク

日本料理の出汁とウマミ

 

日本料理に欠かせないのが出汁です。出汁は多くの料理で使われ、日本の食文化の特徴をあらわす大きなものです。

 

出汁によって生まれるのが、「ウマミ」。

 

もともと味には、「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」の4つの基本味があります。

 

この基本味やこれを組み合わせることで味が決まるといわれてきました。

 

ここに新たに第5の味覚といわれたのが、日本でおなじみのウマミです。

 

ウマミをつくりだす「ウマミ成分」を発見したのは日本人で、旧東京帝国大学(現在の東京大学)の池田菊苗です。

 

ウマミ成分は何も昆布や鰹節などの日本料理によく使われる食材だけに含まれているわけではなく、あらゆる食材に含まれているといわれています。

 

ですから熟成料理などで世界中でウマミを活用していたのですが、日本料理はこの出汁によってウマミ成分を非常に生かして調理されていたわけです。

 

スポンサーリンク

一番だしと二番だしの違いは?

 

日本料理に欠かさない出汁ですが、そこには様々な世界が広がっています。

 

例えば「一番だし」と「二番だし」。

 

名前は知っていても、その違いや作り方についてはわからないという人も少ないないはずです。

 

では、一番だしと二番だしの違いは何かというと、その利用され方が異なります。

 

つまりこうです。

  • 一番だし→お吸い物や茶碗蒸しなどの上品で薄味の料理に適した出汁
  • 二番だし→雑味が強いがウマミも十分に引き出されているため味のしっかりとした味噌汁や煮物などに適した出汁

 

この出汁の利用方法の違いによるのが日本料理の鉄則になります。そして一番だしと2番だしでは出汁のとり方が異なります。

 

一番だしのとり方

 

昆布と鰹節の一番だしのとり方を紹介をします。

  1. お鍋に水と昆布を入れ30分ほど置く。できれば一晩置くとなお良い。
  2. 弱火で煮て沸騰する前に昆布を取り出す
  3. 鰹節を入れ1分くらいしたらこす

 

二番だしのとり方

 

二番だしは一番だしをとった後の出し殻で作ることになります。

  1. お鍋に出し殻をすべて入れて中火にかける
  2. 沸騰したら弱火でアクを取りながら5分ほどしたらこす

 

一番だしと二番だしの違いを良く頭に入れて、作り方やそれに合うお料理に活用をしましょう。

 

関東と関西での出汁の違い

 

関東と関西では出汁の文化が異なります。

 

まず大きな違いとして、

 

  • 関東 → 鰹節主体 昆布などは脇役
  • 関西 → 鰹節や煮干しと昆布両方で味付け

 

そして「だし」という言葉の使われ方も違います。

 

  • だしはそのままのもの、醤油などで味付けしたもの「つゆ」と呼ぶ
  • 醤油などで味付けしたものも「だし」と呼ぶ

 

このような違いがある大きな理由に水の硬度があります。関東の水は硬度が高いため昆布ではだしが取りにくく、濃い口醤油によって味を整えるようになりました。

 

一方関西は関東と比べると水の硬度が高くなく、昆布のウマミをだしで取りやすく、醤油は薄口で風味付け程度に使われるようになりました。

 

同じ日本でも出汁の文化が大きく異なります。だしは本当に奥深いもので世界中から注目される存在なのです。