2017年の訪日客数は過去最高の2800万人を超えたようです。

 

政府は2020年までに訪日客数を4000万人にする目標を持っていますが、今のペースの伸び率を維持できれば目標には届きそうな状況です。

 

一方、年間の訪日消費は4兆円を超えた模様。

 

4兆円というと、昔の日本の状況を考えると高い数値に感じるかもしれませんが、政府の2020年目標は8兆円になっています。つまり昨年の実績の倍増です。

 

残り3年で現在の3倍ほど外国人にお金を使ってもらわなければいけないわけですが、かなり厳しいハードルです。

 

現在日本へは様々な国の人が訪れていますが、より消費をしてもらうためにはどの国からたくさん来てもらうのが良いのでしょうか?

 

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インバウンド市場は高い成長を維持

 

2017年の訪日客数が5年連続で過去最高を更新しています。

 

2017年の訪日客数は前年比19%増の2869万人で3000万人にも届きそうな勢いです。

 

百貨店の福袋に中国人が殺到したニュースなどをみると、インバウンド市場はまさにウハウハのような状態にも見えます。

 

ただ、昨年度の訪日消費は4兆円で政府の2020年目標の8兆円まではまだまだという感じです。

 

どんだけ中国人に爆買してもらわないとアカンねんという感じかもしれませんが、爆買も大事ですが、爆買以外にも訪日消費を増やすことはたくさんあります。

 

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現在の訪日客数は中国・韓国などアジア勢が牽引

 

現在の日本に多く訪れるのは中国・韓国などアジアの国々の人たちです。

 

アクセスが近くて容易ということで当然の結果といえば当然なのですが、アジア勢だけで全体の約8割を占めています。

 

特に伸び率が高いのが、17年1月~11月の実績で韓国が16年の同時期と比べ41%増の韓国。ベトナムが31%、インドネシアが30%、香港が23%、中国が14%と“近場”からの訪問が多くなっています。

 

中国は14%増とベトナムやインドネシアと比べるとそれほど高い伸びではないですが、そもそも前年度の実数や潜在的な訪問客数も多いため影響力はとても大きいです。

 

アジアの国々から訪れる人たちもこんな感じでたくさん買い物をしているようにも感じますが、それでも消費額はまだまだという状況です。

 

消費額が目標まではまだまだ遠いことにはいろんな理由があるでしょう。

 

例えば、

  • 買い物にはお金を使っても宿泊代金を節約
  • 買い物をするために食費を節約
  • そもそも宿泊日数が少ない
  • 日本の物価が国際的に低くなっている

 

などの他にも様々な要因があるでしょう。

 

日本の物価に関しては、昔は物価高の国で有名でしたが今は違います。国際比較すると円安の影響もあり割安感のある国になっています。

 

有名寺院の入場料の値上げもありますが、国際的には低い水準なのも値上げの理由の一つかもしれません。

 

日本の著名寺院の拝観料が上がっている 海外の寺院と比較すると?

 

アジアの国々のような近場からだと気軽に来られるだけあってか滞在日数が短くなりがちです。ですから、遠い欧米などから多くの人を呼び寄せるべきという意見も多くあります。

 

訪日消費を増やすため訪問して欲しい国の人は?

 

訪日消費は3年で倍増を目指している日本ですが、訪日消費を増やすためには訪問をして欲しい国の人といえばどこがあるのでしょうか?

 

大事なのは絶対数の多さと一人ひとりの消費額の大きさ。

 

人口が多い国は潜在的に訪問客数が多くなるでしょうし、富裕層が多く裕福な国はそれだけ消費額も多くなる傾向があるでしょう。

 

人口が多い国のトップ10です。

  1. 中華人民共和国(中国)13億7867
  2. インド13億2417万
  3. アメリカ合衆国(米国)3億2313万
  4. インドネシア2億6112万
  5. ブラジル2億765万
  6. パキスタン1億9320万
  7. ナイジェリア1億8599万
  8. バングラデシュ1億6295万
  9. ロシア1億4434万
  10. メキシコ1億2754万
  11. 日本1億2699万

(単位:人 出典:The World Bank – World Development Indicators – Population, total(2016))

 

資産1億円以上の富裕層が多い国のランキングです。%は全体に対する割合です。

  1. 米国 41%(富裕層人口1355万4000人)
  2. 日本 9%(富裕層人口282万6000人)
  3. 英国 7%(富裕層人口222万5000人)
  4. ドイツ 5%(富裕層人口163万7000人)
  5. フランス 5%(富裕層人口161万7000人)
  6. 中国 5%(富裕層人口159万人)
  7. イタリア 3%(富裕層人口非公開)
  8. カナダ 3%(富裕層人口111万7000人)
  9. オーストラリア 3%(富裕層人口106万人)
  10. スイス 2%(富裕層人口71万6000人) 韓国 2%(富裕層人口非公開)
  11. 台湾 1%(富裕層人口35万6000人) スペイン 1%(富裕層人口38万6000人)

 

富裕層が多いのは先進国が多くなります。

 

最重要国はアメリカ

 

富裕層も多く、人口も多いアメリカは絶対的にたくさん訪れて欲しい国のトップです。まだまだ伸びる要素はありますが、最近はアメリカからの直行便が減っているのが気がかりです。

 

中国も無視できない存在

 

続いて賛否両論のある中国。高い経済成長率で今後富裕層がますます増えるでしょう。人口が桁違いに多いのとあわせてやはり無視できない存在です。

 

欧州は今後最も訪問して欲しい国々が多い

 

英国、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、スペインなどの欧州からの顧客は一番訪問を増やすべき国々でしょう。

 

日本から距離が離れていますし、長期休暇を取りやすいことから滞在が長くなりがちです。欧州は上記の国以外にもおおむね所得水準が高い国が多いためどんどん訪問をして欲しい国でしょう。

 

オセアニアなど南半球からも重要

 

オーストラリアは人口もそこそこ多く富裕層も多いため非常に重要です。オセアニアではその他人口は少ないものの比較的裕福なニュージランド。

 

南半球では経済成長が高いブラジルなどの南米や南アフリカなどの国々からも多く訪れて欲しいところです。簡単には日本に来れない国なので滞在期間が長くなりがちです。

 

アジアからももちろん重要

 

現在日本にはアジアから多くの外国人が訪れていますが、アクセスが容易なことからリピーターにもなりやすく引き続きもっと多くの人が訪れて欲しいエリアです。

 

特に富裕層の多い韓国、台湾、その他国内の見どころが限定される香港やシンガポール、さらに人口が多いインドネシア、インドなどは重要度が高い国でしょう。

 

その他の国は?

 

その他の国で注目したいのは近くて人口も多いロシア、富裕層が桁違いにお金を持っているアラブなどの産油国でしょう。

 

でも最もお金を使ってほしいのは日本人自身かもしれません。人口はまだまだ多いですし、富裕層も多いですから国内でしっかりと消費して欲しいですね。