英誌エコノミストの調査部門による「2017年版世界の安全な都市ランキング」が発表されました。
1位は3年連続で東京。The Economistが選んだ「世界の安全な都市ベスト10」
毎年発表されるランキングですが、世界各国の主要都市60カ所について、44の指標に基づいたデータを使って分析して順位付けされます。
1位は3年連続で東京、3位にも大阪がランクインしてベスト3に日本の2都市が入るという結果。
2位はシンガポールですからベスト3は昨年と同じで不動の順位という感じになっていますね。
安全ということは生活する上でとても大事なことですが、東京や大阪はどの辺りを評価されたのでしょうか?
都市の安全性をはかる4つのカテゴリー
調査は以下の4つのカテゴリーに分けて評価をし、その安全性の指数を集計して合計点でランキング化しています。
- サイバーセキュリティ
- 医療・健康環境の安全性
- インフラの安全性
- 個人の安全性
カテゴリーごとに東京や大阪がどこが評価され、どこがまだ改善の余地があるのかをみていきます。
サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティーは次の指標を元にその安全性を評価しています。
- プライバシーポリシー
- サイバー脅威への住民の意識
- 官民パートナーシップ
- 導入テクノロジーのレベル
- サイバーセキュリティ専門チーム
- なりすまし詐欺発生率
- ウィルス感染した PC の割合
- インターネット・アクセスの割合
東京はサイバーセキュリティーの分野ではトップと高評価。大阪このカテゴリーでは14位と少し足を引っ張ったような状況。ただ点数でいうと上位とそれほどの差はありません。
医療・健康環境の安全性
医療・健康環境の安全性は次の指標を元にその安全性を評価しています。
- 環境政策
- ヘルスケアサービスへのアクセス
- 人口 1000 人あたりの病床数
- 人口 1000 人あたりの医師数
- 安全で良質な食料へのアクセス
- ヘルスケアサービスの質
- 大気の質
- 水質
- 平均寿命
- 乳幼児死亡率
- 乳幼児死亡率
- 生物化学兵器・化学兵器 化学兵器・放射能兵器を使った攻撃件数
この分野では日本は突出した強さを発揮し、大阪が1位で東京が2位という結果。医者不足といわれる日本ですが、東京や大阪などの都市部は医療は充実しています。
食料も安全性が高いですし、一般的に住みよい街というのは医療健康面が充実していることが大切ですから日本=安全・住みやすいというイメージも強く持たれるでしょう。
また、このカテゴリーはシンガポールが13位と低迷をしています。ただシンガポールのここの評価が上がってくれば東京のトップの座も危うくなってくるかもしれません。
インフラの安全性
インフラの安全性は次の指標を元にその安全性を評価しています。
- 交通安全施策の実施レベル
- 歩行者の快適性
- 道路インフラの質
- 電力インフラの質
- 防災管理・災害時の事業継続計画
- 自然災害による死亡者数
- 車両事故発生件数
- 歩行者死亡事故の発生件数
- スラム人口の割合
- 施設・インフラに対するテロ攻撃
インフラの安全性となると日本は高そうなイメージがあるのですが、意外に大阪11位、東京12位と低迷をしています。
ただ上位は拮抗しており、トップのシンガポールともそれほどの差はありません。先進国ならこのカテゴリーの数値は基本的にはそれなりの水準になりそうです。
おそらく日本はこのカテゴリーでは、地震などによる自然災害による死亡者数が足を引っ張ったのでかと思いましたが、東京や大阪なら自然災害による死者はほとんどないような。
日本はどの指標で評価を落としたのでしょうかね?
個人の安全性
個人の安全性は次の指標を元にその安全性を評価しています。
- 警察の関与レベル
- コミュニティレベルの巡回活動
- 街中犯罪データの有無
- データ活用型防犯対策
- 民間によるセキュリティ効果
- 銃規制の実施レベル
- 政治安定性リスク
- 軽犯罪発生率
- 凶悪犯罪発生率
- 組織犯罪による活動
- 汚職レベル
- 薬物使用率
- テロ攻撃発生件数
- テロ攻撃の深刻度
- ジェンダー・セーフティ
- 体感的な安全性
- テロリズムの脅威
- 軍事紛争の脅威
- 市民暴動の脅威
このカテゴリーはトップのシンガポールには劣るものの大阪が3位、東京が4位と上位に入っています。一般的に治安と考えられる指標が並びますが、意外にも大阪が東京より良くなっています。
大阪は国内では治安が悪いと考えられていますが、世界と比較するととても治安が良いエリアと考えて良いでしょう。
日本の安全性の高さはこんなランキングでもはっきりと現われます。
今回は世界の60都市を限定して調査されていますが、もっと多くの都市を対象にすればさらに日本のその他の都市も上位に入ってくるものと思われます。
もしかしてトップ10の半分ぐらいを日本の都市が占めるかもしれませんね。