京都=世界遺産というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、京都全体が世界遺産に登録されているわけではありません。
京都の寺社仏閣の中でも世界遺産に登録されている所とそうでない所があります。
京都の世界遺産は「古都京都の文化財」として、世界文化遺産に登録をされていますが、あんなところ、こんなところと定番の所からちょっと意外な所まで含まれています。
中には京都以外の史跡も含まれていたり、広範囲におよびますが、世界遺産としての魅力はやはりあります。
古都京都の文化財の一覧
世界遺産「古都京都の文化財」は、古都である京都全体が世界文化遺産に登録されているわけではなく、またある寺院が単体で登録されているわけでもありません。
出典 京都府
以下の17の構成遺産が複合して一括で世界文化遺産として登録をされています。
- 賀茂別雷神社(上賀茂神社)(京都市北区)
- 賀茂御祖神社(下鴨神社)(京都市左京区)
- 教王護国寺(東寺)(京都市南区)
- 清水寺(京都市東山区)
- 延暦寺(滋賀県大津市坂本本町・京都市左京区)
- 醍醐寺(京都市伏見区)
- 仁和寺(京都市右京区)
- 平等院(宇治市)
- 宇治上神社(宇治市)
- 高山寺(京都市右京区)
- 西芳寺(苔寺)(京都市西京区)
- 天龍寺(京都市右京区)
- 鹿苑寺(金閣寺)(京都市北区)
- 慈照寺(銀閣寺)(京都市左京区)
- 龍安寺(京都市右京区)
- 本願寺(西本願寺)(京都市下京区)
- 二条城(京都市中京区)
どれも京都を代表するような人気のあるお寺が並びますが、「あのお寺や神社は入っていないの?」というイメージもあるかもしれません。
例えば千本鳥居で内外から多くの人を集める伏見稲荷大社、東山の南禅寺や見るものを圧倒させる三十三間堂も世界遺産として登録をされていません。
京都のお寺、しかも有名で中心部に近いものは世界遺産に登録されているのではないかというのは誤解です。
古都京都という名称にもかかわらず所在地をみると京都ではない場所も含まれています。また京都の一箇所に集中しているわけではなく、東西南北に遺産が散らばっています。
そのため全部を一度に巡るのは日帰りや一泊ではまず不可能に近いです。
そもそもお寺によっては拝観するために事前に申し込みが必要な所もあるので、よほど綿密な計画が必要ですし、駆け足で見てもその魅力を十分に味わえませんので、ゆっくりとひとつづつ堪能をすることが良いでしょう。
滋賀の延暦寺が含まれているのは?
古都京都の文化財には京都市内だけでなく平等院などの宇治市の遺産も含まれています。さらに京都だけでなく延暦寺は滋賀にあります。
これでは古都京都の文化財にならないのではないの?という疑問を持つ人もいるでしょう。
細かいことをいえば滋賀は京都ではありませんから、古都京都の文化財なりえないにもみえます。
ただ、滋賀県という行政区分は現代のものであり、平安京があった時代では滋賀という行政区分はありませんでした。
延暦寺は京の都に密接な関係を持っていましたし、残念ながら単体では世界遺産に登録されるのが難しいということもあり、いろいろ集まった史跡を集めたすべてを世界遺産に登録をする価値があるということなのです。
滋賀だけでなく宇治だって現在でも洛外ということで、真の京都扱いを受けていないなんていわれています。
世界遺産の視点からいうと、どうでも良い話です。
世界遺産としての魅力
古都京都は古くて有名な寺社仏閣も多く、たとえ世界遺産に登録されていなかっとしても、十分に観光に訪れて楽しめる場所でもあります。
どこが行って良かったかは個人の感性にもよるので、世界遺産じゃない場所でも格別に満足感を味わえる時もあるでしょう。
実際に外国人の観光地ランキングでも、世界遺産ではない伏見稲荷大社がトップの座に座ったということもあります。
世界遺産としての魅力となると、ユネスコからのお墨付きという面もあり安心して観光ができるという面もあるでしょう。
つまりハズレが少ないということ。
ハズレが少ないというだけで、やっぱりハズレの世界遺産もありますが(^_^;)
世界遺産は登録されれば永久に有効というわけではなく、状態が変われば登録を取り消されることだってあります。
例えば良くある事例で周辺に高層ビルが建つようになり、景観問題となるものです。
ウィーン歴史地区やケルン大聖堂などが景観問題で世界遺産登録抹消の是非が問われました。ウィーンは現在その登録抹消の渦中にあります。
つまり、世界遺産の登録を維持するためには、登録基準を満たす努力が必要であり、それが観光としてもクオリティを維持することにもつながります。これも世界遺産としての魅力だといえます。